2011年08月23日(火)

"中国で働く"⑥ 戦略は仕事をしない

順利包装集団 福喜多俊夫


 市場調査や競合分析、そして自社の強み弱みを抽出して戦略を立案しても業績が上がるわけではありません。 立派な戦略を立てたのに業績に結びつかないとぼやく人がいます。 間違ってはいけません。 戦略が仕事をするわけではなく、仕事をするのは人です。 戦略は大事ですがそれを実行出来る人がいなくては戦略も机上の空論に終わります。

戦略は仕事をしない、人が仕事をする

 日本の会社が4月前後に組織改訂と人事異動を行うのは新しく立案した戦略と戦術を実行する最適布陣を取るためです。 海外でも同じです。 立案した戦略、実行計画を実現するために有能な人材を確保する必要があります。 軍隊でも企業でも組織というものの力はその組織の長の力以上にはならない、という一般則があります。 組織の長としてのあなたの実力、各部門に配置したリーダーの力が会社の実力となります。 また、最適な組織に一般論はありません。 その時点の自社の目標を達成するために必要な組織がその時点での最適組織です。 したがって、目標が変われば組織もそれに沿って変える必要があります。

まかせて人を育てる

  優秀な人を採用してもすぐに実力を発揮してくれるわけではありません。 自社の目標に沿って実力を発揮してもらうための教育が必要です。 普通、人は目標を与えてまかせればひとりでに走り出します。 中国でも目標と役割を明確にして(中国では阿吽の呼吸は通用しません。 はっきり言葉で示す必要があります)、まかせることで人を育てる姿勢が必要です。 ただ、中国では “おまえにまかせた” と言ったが最後、それ以降一切報告があがってこない、という事態が十分予想できます。 メンバーの仕事の進捗を把握し、指導の方向付けをする「コミュニケーションの仕組み」を作っておく必要があります。 「目標管理」の手法をとり入れるのもひとつの方法です。

  中国では一生懸命教育してもそこで得た知識とスキルをキャリアとして転職するケースが多いのが頭の痛いところです。 “スタッフは少数精鋭で給料は高く” を人事政策の基本に据えて有能な人材の確保に努めるべきでしょう。 それでも引き抜きを防げない時があります。 その時は気持ちよく送り出してあげましょう。 彼/彼女が大切なお客さんになるかもしれません。

戦略立案は自社の規模に応じて

  会社を立ち上げた当初や従業員が数人の間は、あまり戦略にこだわらない方がよいと思います。 戦略を云々するより、なりふり構わず儲けることが先決です。 私も最初に上海で会社立ち上げを任された時、最初は親会社で習い覚えた戦略論を唱えていましたが、やがて戦略は仕事をしないことに気がつき、営業担当者と一緒に、なりふり構わず稼ぐことに徹しました。 月の売上が日本円で2千万円に達した時、少し余裕をもってビジョン作りと事業戦略の立案が出来るようになりました。

 目標管理の導入に興味をもたれた方は下記までご連絡ください。「中国における小さい会社の目標管理」を差し上げます。

福喜多 俊夫

順利包装集団(総公司:香港)総裁 (上海在住)

専門分野
海外子会社管理(経営管理・工場経営・品質保証)、目標管理、包装・物流情報

カネカ勤務中は米国、ベルギー、東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、香港)の子会社管理、工場指導を担当し、関連子会社に10年ほど出向していたこともあるので、中小企業、特に海外の中小工場経営が得意。


【資格】
◇技術士(経営工学部門)
◇APECエンジニア(工学部門)


【参加団体】
◇大阪能率協会
◇技術士包装物流会
◇(財)海外職業訓練協会(OVTA) 国際アドバイザー

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福喜多 俊夫
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