2014年04月10日(月)

“中国で働く” 24 「覚えてやるな、わかってやれ」

順利包装集団 福喜多俊夫


 私は新入社員の頃、化学会社の技術課に配属されていたのですが、そのときの上司から仕事は「覚えてやるな、わかってやれ」とよく言われました。これは自分が仕事をする時だけでなく、人を指導するときにもとても大事なことだと思っています。

1.あなたの会社の職長は納得しないと動かない

 

製造現場でも営業現場の見積作業でも、教えた通りになかなかやってくれなくて困った経験はないでしょうか。一般に中国の人は納得しないと動きません。しかし、一度納得すると素晴らしい速度で仕事をしてくれます。これは困ったことではなく、すぐれた特性だと思っています。「覚えてやらずに、わかってやる」ことを身につけているわけです。特に監督者クラスに指導するときは、マニュアル通りにやることを強調するだけでなく、なぜそのようなやり方になっているか、このやり方が今の状況では一番いいという理由を説明することで、教えられた方は納得出来るわけです。この手間を惜しんではいけません。もう一つ大事なことは、このやり方が「今の状況では一番いい」と注釈をつけることです。状況が変われば“ベストのやり方”も変わります。わかってやれば状況に対応してカイゼンが出来るという柔軟性が出てくるわけです。


 日本でも高度成長期には現場の「監督者訓練」が盛んで、そこでは「覚えてやらずに、わかってやる」ことを徹底的に鍛えられました。これが日本の製造業を支えてきたのです。ここ中国でも「監督者訓練」に力を入れ現場力を強くしてください。

2.マニュアルは“わかっている”人が書かねば血がかよわない

 

今や日系企業だけでなく、多くの中国企業もISO9001や14001の認証を受けて、工程では作業標準を遵守する指導を行っています。その作業標準は本当に工程がわかっている人が書いているでしょうか? 本当に工程がわかっているという意味は、そのような工程になっている理由がわかっているという意味です。その工程が作られた理由がわかっている人は、工程通りに進めない場合は何が起こるかもわかっています。どういう場合にどのような不良が出るかがわかっているから、不良が発生した場合の対応策もマニュアルに書き込めるわけです。また、改訂が必要な状況も把握できます。マニュアルは工程の成り立ちが本当にわかっている人が作る必要があります。マニュアルの作成は技術部と現場の監督者の共同作業が不可欠です。

福喜多 俊夫

順利包装集団(総公司:香港)総裁 (上海在住)

専門分野
海外子会社管理(経営管理・工場経営・品質保証)、目標管理、包装・物流情報

カネカ勤務中は米国、ベルギー、東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、香港)の子会社管理、工場指導を担当し、関連子会社に10年ほど出向していたこともあるので、中小企業、特に海外の中小工場経営が得意。


【資格】
◇技術士(経営工学部門)
◇APECエンジニア(工学部門)


【参加団体】
◇大阪能率協会
◇技術士包装物流会
◇(財)海外職業訓練協会(OVTA) 国際アドバイザー

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