2010年09月02日(木)

年金型生命保険で「二重課税は違法」最高裁判決

福岡労務経営事務所 代表 福岡 英一

◆「二重課税は違法」とされた最高裁判決

最高裁判所は7月6日、死亡保険金を年金の形で受け取る生命保険について、相続税と所得税の両方を課税するのは「二重課税にあたり違法」のと判決を下しました。

原告の女性(49)は夫が死亡した2002年、10年間に総額2300万円を年金で受け取れる権利(年金受給権)を相続し、1年目の230万円を取得しました。

年金で受け取るものは、一定割合(今回のケースでは60%)が相続税の課税対象とされたうえに、毎年受給する230万円に所得税が課されました。

今回の判決では1年目の年金に課された所得税を「違法な二重課税」と判定しました。

◆対象となる商品は

今回最高裁判決の対象となった保険商品は死亡保険金を年金の形で受け取れるものですが、「育英年金がついた学資保険で、契約者が亡くなったことにより毎年年金を受け取る場合」や、「個人年金保険の満期後の年金受給中に契約者が死亡し、相続した人が年金で受け取る場合」も、同様に二重課税の問題が生じる可能性があります。

その他に、保険以外の金融商品でも相続税と所得税の二重課税が問題視されている商品があります。

◆具体的な還付手続きはどうなるのか

現在のところ、国税庁からはどのような商品が還付の対象になるのか、その判断基準は示されていません。

還付対象に該当した場合は、税務署に対し課税の誤りの訂正を求める手続き(更正の請求)が必要となります。

所得税だけではなく、住民税も還付の対象になる可能性が高く、それにより過去に徴収された健康保険料も修正になるケースも出てきます。

野田財務相は、法律で税金の還付が認められている5年分の所得税について、保険受給者が申告すれば、5年超でも救済するとの考えを明らかにしていますが、その取り扱いについては今後の動きに注視してゆく必要があります。

福岡 英一

福岡労務経営事務所 代表 社会保険労務士 (奈良県在住)

専門分野
就業規則、人事・賃金制度、退職金・企業年金コンサル、生命保険活用・見直し。

京都大学卒業と同時に大手生保会社に勤務。CFP資格を取得し、ファイナンシャル・プランナーとしての活動をする中で、社会保険労務士資格に興味を持ち取得。
セミナー講師(ここが危ない人事労務管理、退職金・企業年金制度改革について、知ってトクする年金セミナーなど)多数。


◇社会保険労務士(奈良県社会保険労務士会所属)
◇CFP(日本FP協会認定)
◇1級ファイナンシャル・プランニング技能士
◇DC(企業保険総合)プランナー
◇現在:福岡労務経営事務所 代表
      関西ファイナンシャル・プランニング 代表

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