2010年03月11日(木)

今、必要とする販売促進活動!!

上海伯百楽商務咨詢有限公司 猪股 賢児


販促視点から見る「上海禁煙条例」

きのう、近所の中華レストランに6人で行ったのですが・・・

 

いつものように「灰皿くださ~い!」とホールスタッフに告げると「ダメです!」と言われました。知ってはいましたが、知らないふりして「何でダメなの?この店は禁煙?」と尋ねると「法律が・・・」と、頬を赤くしたホールスタッフはたどたどしく答えました。その後フロアマネージャーらしき人と相談した上で、しぶしぶ灰皿を持ってきてくれました。おそらく6人のお客さまが機嫌を損ねて出て行かないようにと判断したのでしょう。実際店内を見渡すと、いつもと変わらぬ喫煙光景でした。灰皿を出した店側にペナルティが課せられるにもかかわらず、急には変えられない内情なのでしょう。


○ストアアイデンティティ

禁煙を企業理念として制定している外資系飲食店などは、徹底した無煙空間を維持できますが、そうではない飲食店の場合、方針や規制を理解し、早期に現場へ反映させるのは困難かと思います。今後店舗運営において、さまざまな面での管理がますます重要視されますが、来店するお客さまのモラルの向上がなければ、店側にとってはつらい話だと思います。

いづれにしても今までの法改定時と同様で、徐々に条例が浸透し徹底されることは間違いないでしょうが、中国のスピードと強行さにはいつも感心させられます。

○変化の中には新しい産業が生まれるチャンス

お客さまの思考や動向が変わる今、店舗のあり方や宣伝方法、新しい価値づくりや、モノづくりなど原点を見つめる必要がありそうです。


→吸いたいけど吸えない人たちはどのような行動をとるのか?

→この機会に「脱煙」を決意する人もいるのでは?

→灰皿が巷に登場しなくなる代わりに何が必要とされるのか?

→トイレや、出入り口付近で無造作に吸う人たちが増えるのでは?

→スモーキングスペースを持つ車があちこちに停車していたら喫煙者には嬉しい?

→フロアースタッフに理解させ、尚且つ道徳に欠けるお客さまに啓蒙することが理想では?

→センスの良い「禁煙マークのシール」や「わかりやすい卓上啓蒙POP」などが必要では?

→発令を機会に心機一転して快適店舗へとモデルチェンジしたら良いのでは?


飲食店の経営者にとって本当の意味で管理能力が試され、また、本腰を入れた顧客満足活動に取り組む必要があるのではと考えさせられます。

決断は非常に早く、中身はあとからついてくるのがここ中国の特徴。政府の掲げる街づくりに、一歩ずつですが近づいている上海(実際には猛スピード)だと肌で感じます。

どこが勝ち残り、何が新たに登場するのか、非常にワクワクさせられる楽しい街です。

中国商業施設の実態!

中国では大型店も含めて出店ラッシュです。ハード面ではかなり充実したものの、ソフト面のサービスではまだまだ課題が残ります。私が数年前に上海を訪れた時、大きく感じた事が3つほどあります。

1つは道行く人たちが"エネルギッシュ"であるという事。大きな声を張り上げ"我が道を行く!"といった感じで人々が交錯していたのを思い出します。

2つ目は、やたら派手なネオン看板やサインが街を埋め尽くしている事です。「電力不足と聞くけど本当かな?」と思ったことが印象に残っています。

3つ目が商業施設全般において、サービスが不親切である事です。職業柄街を歩く時、店舗環境やサイン計画、広告物の品質、店員のサービスなどが気になって仕方ありません。(職業病?)

 「なぜ看板をこの向きで付けてるんだ!?」

 「どうして店員が商品に座ってるんだ!?」

 「なんで店員とお客が喧嘩してるんだ!?」と不思議な事だらけでした。

アメリカにいた時もレジの店員と清算客がおしゃべりをしているために列が進まない・・・なんて事が良くありましたが、本気の喧嘩は初めて見ました。しかも対等にやり合っている・・・。たまたまその店員だけかと思いましたが、その後も何度か街で見かけました。私からすると「販売機会の損失、店舗イメージの激減、リピーター成長率=ゼロ!」と判断してしまいます。

中国は本物志向が強い!並べるだけで売れる時代は終わった!

上海の社会消費品小売総額は、東京の10分の1ほどですが、ご存知のように年々上昇しています。生活レベルの向上に伴いエンゲル係数も下がり、ファッションやレジャーにお金を使う人たちが増えてきました。ちなみに上海人の特長としては、虚栄心が強く外国ブランドに対して非常に興味を持っています。また賢い消費能力を持ち合わせるため、プライスパフォーマンスにもこだわります。したがって小売店側は高品質且つ低価格品の提供が必要となります。

来店されたお客さまは、価格を比較しつつ、品質やクオリティを見極めています。100元と90元ならば、お客さまは当然90元を選ぶでしょう。同じ買物シーンで、同じ品質、同じクオリティの前提ですが・・・。

お客さまは、価格を気にしながらそれと並行して効果や使用感などを瞬時に検証しています。着心地、使い勝手、暖かさ、涼しさ、味、匂い、鮮度、色・・・・・中でも見栄えは、第一印象を作り上げる大切な要素です。商品をどのように見せ、商品情報をどのような手段を使って伝達するかは、お客さまの購買意思を決定させる重要な要素です。

そう、プライスパフォーマンスを判断するのは、お客さまなのです。

猪股 賢児

上海伯百楽商務咨詢有限公司 総経理 (上海在住)

専門分野
販売促進・店舗戦略(CS、VMD、VP、CI、VI、SI)

デザイン学校を卒業後広告業界に参入。平面・立体デザインをはじめ、ウィンドウディスプレイ、店頭VPなどの環境演出に携わる。現在は上海を拠点に「顧客満足度の向上」を主軸とした、店舗環境づくりや接客サービスのセミナー、教育訓練を各方面に向けて実施。(通算20年間販促業に携わる)

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