2010年04月16日(金)

急務となる接客サービスのレベルアップ!!

上海伯百楽商務咨詢有限公司 総経理 猪股 賢児


現在、上海では5月から始まる万博に向けて急ピッチでハードの整備とソフトの充実が進んでいます。ハード面では目を見張る充実ぶりで、先日も日本に出張して帰って来たら、最寄りの駅に新しい路線が開通していて驚かされました。情報によると上海の地下鉄は東京を抜いてアジアで1番の長さになったようです。


さて、万博期間中には周辺商業施設に与える影響も大きいと予想されます。私が親しくさせていただいている上海百貨店協会でも、百聯グループを中心に各小売店の責任者を集めて、「万博開催期間中における店舗サービスの注意点」などを発表していました。急には変われないものだと思いますが、サービスの視点が変化することは大変良いことで、配布された資料には、お客さまを満足させるための施策が書き連ねられていました。

北京オリンピックの時も同様に、政府は小売店関係者に対してサービスレベルの向上を命じました。その流れで「日本式接客サービスを導入しよう!」と声があがり弊社の教育プログラムが導入された経緯があります。

リアルショップ(小売店)の役割は?

小売業(特に百貨店)は、簡単に言えば「多くのお客さまを相手に衣・食・住に関するあらゆる商品を販売する店」と言えましょう。その商品を「販売する」という事ですが、固く言えば「販売」とはモノの所有権が他に移り、移ったモノに対しての対価が支払われる事です。しかし、単にモノと貨幣を交換するだけでしたら、自動販売機やネットショッピングで十分ではないでしょうか。

販売員は店舗の顔である!

品物の販売は売り手と買い手、つまりお客さまと販売員が存在します。

お客さまが店舗に来て、本当に満足する買物をするためには、自動販売機では何かが足りないはずです。お客さまと販売員との間では商品と貨幣以外にサービスという目に見えないものが動いています。

商品に対するお客さまの費用対効果や所有満足感を上げてゆくのは、販売員の接客や店舗環境などが重要な要素です。中でも"オケージョンに適した接客"は購買意欲を促進すると共にリピーターの獲得や店舗のイメージアップに直結する最も重要な要因です。

販売員が売上を左右する!

サービス業全般において、接客は「真実の瞬間」として、最もお客さまの記憶に残る場面であると言われています。ゆえに「接客サービス」に対する関心度は高く非常に重要です。

昨今、商品の情報はインターネットや雑誌などから容易に収集する事ができます。販売員の提供する情報が、それらの各チャネルから入手する情報と同レベルまたはそれ以下だった場合、恐ろしい事にお客さまのコンプレインにつながるケースがあります。

顧客のコンプレインをつかめ!

コンプレインとは、ちょっとした不満のことで、「通路が狭くて歩きにくい」とか「買物している時に何がどこにあるか分かりづらい」などのことで、いたるところで発生しています。気分的なものもあるので、お客さまもそれに気づいていない場合もありますが、潜在化しているコンプレインが定着すると、顕在化したコンプレインに成長し、さらに放置しておくとクレームという明解な問題につながります。

クレームになった後は、即座に問題を解決しないと、顧客離れや店舗イメージの激減などに発展し、場合によっては企業の存続にまで影響を及ぼします。ですからお客さまの潜在的なコンプレインをいち早くキャッチし、組織的に改善する事が求められます。

クレームへの対応は後処理型であり問題対応型なのに対して、コンプレインへの対応は、前倒し型であり提案型であるといえます。顧客満足度を高めるためには、クレーム対応に追われている企業ではなく、顧客のコンプレインをつかみ、積極的な提案をしていく企業体勢である事が望まれます。


猪股 賢児

上海伯百楽商務咨詢有限公司 総経理 (上海在住)

専門分野
販売促進・店舗戦略(CS、VMD、VP、CI、VI、SI)

デザイン学校を卒業後広告業界に参入。平面・立体デザインをはじめ、ウィンドウディスプレイ、店頭VPなどの環境演出に携わる。現在は上海を拠点に「顧客満足度の向上」を主軸とした、店舗環境づくりや接客サービスのセミナー、教育訓練を各方面に向けて実施。(通算20年間販促業に携わる)

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