2012年10月29日(月)

中国現地日系企業必読 <> 税務局に係るリスクな問題

上海知恵企業管理諮詢有限公司 高級顧問
アジア移転価格専門コンサルティング 代表 小川 孝一


 今日、各国の税制はそれぞれ自国の税制度を構築しており税務当局の税執行も異なります。

 中国においては、税務行政の中央と地方の関係に大きな違いを持っていることが特徴です。日本では三段階となる行政組織は、中国では五段階を有しています。


 中国の税務行政組織は1994年の分税制改革によって成立したとされています。その組織は原則、中央税(日本の国税に相当)を扱う国家税務総局と地方税を扱う地方税務局とに大別されます。国家税務総局(SAT)は、国務院直轄の税務専門機関であり税務執行の企画・立案、中央税の執行及び地方税の執行などを管理しています。

 対して、地方税務局は地方の人民政府と国家税務総局の双方から指導を受ける立場にあります。また、基本的に税務政策の企画・立案では財政部が国家税務総局と協力して行っています。多くの主要な税目は中央と地方で税収を分ける共有税(中央60:地方40)と呼ばれます。


 地方税を管轄する地方税務局は、各地ごとに設置されて税務業務の調査執行によって税収入は大きく地方政府の財政に貢献するのです。日本のように法人税も個人所得税も全て一元管理の体制でないため、取分け、共有税の一つである個人所得税に対する税収確保への管理強化などによって、多くの中国に滞在する駐在員の個人所得税での納税に際しては、地方税務局から強権の指導が続いています。何故ならば、各地方税務局の税解釈や手続きなどにおいては、税執行に係る温度差が天地のように大きく生じているためです。


 国家税務総局(SAT)は企業所得税等、地方税務局は最大の税収財源となる個人所得税等を管轄します。しかし両者はお互いに情報交換の義務はなく、かつ基本的には上下の位置づけでもないのです。例えて言えば、どちらも愛国心はある然し忠誠心を持たないという事でしょうか。


 中国の税務局の窓口では専管員と呼ばれる職員が対応します。しかし、納税者へ税の説明或いは各種の手続きを優しくそして丁寧に説明をするという義務は持っていません。税金の徴収こそが彼らのミッションだからです。税務局リスクとして、日常の中国ビジネスの場面においては、平時より多くの日系現地企業が多大な税務局リスクを受けています。

中国税務

  • 多くの外国企業は、
  • 中国に投資するものの、
  • 中国で稼いだ利益を
  • 国外に持ち出すばかりで、
  • 中国の税収に貢献しない企業が多すぎる。

 税務局によるこれからも変わらぬ課税面からの税リスク です。

 日本企業へ課税する特徴的な理由です。多くの日本企業は権限を本社に集中して関連者間取引の移転価格は親会社が決めており、また日本企業には財務に精通したスタッフがいないケースが多いと見られており今後にも継続な問題です。また「離島」問題による国同士の政治問題なども少なからず税務の現場に影響が懸念されてくるでしょう。

小川 孝一

アジア移転価格専門コンサルティング 代表 (上海在住)

専門分野
会計・税務管理、移転価格税、中国税務&国際税務、内部統制構築

日本および中国にて、一貫して税務・会計畑を歩んできている。
特に、国際税務に関わる移転価格税制に精通。
移転価格税に関わる対策文書/同時文書の作成、税務調査を中心として事例研究多数あり、関連セミナー講師多数。

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