2011年03月10日(木)

向上意欲を活かす人事管理①

佐藤中国経営研究所 代表 佐藤 忠幸


"中国人は欲求が強すぎて困る"という話をよく聞きます。

果たしてそうでしょうか?

逆に、それはよいことだと活用できるのではないでしょうか?

中国の歴史的背景

中国の近代史から考えると、欲求が高いのは当然だと思います。

文化大革命中の鬱積した時代から開放された喜びを感じて未だ35年しか経っていません。経済的自立と発展を目指した「改革開放政策」開始して22年です。

沿岸部を中心として大きく発展したのは、ここ10年の話です。

西部など奥地の農村部が飢え死にしなくても済むようになったのも、ここ10数年の話です。


現在は、富める人・貧しい人との格差が問題となっています。下層部の人は、もっと美味しいものを食べられるように、もっと綺麗な洋服を着たいと、少しでも広い家に住めるようにと、少しでも賃金の高い職場を求めています。

中間層は、それらは満たしているものの、その生活の安定を目指して、潰れない安定した大企業や公務員を求め、ます。子供にも安全を求めて高等教育を受けさせるべく、受験戦争真っ只中です。さらにそれが進めば、どうなるのでしょうか?

会社を愛し、地域・国を意識し帰属意識が高まります。さらに、名誉や地位を求めるようになります。さらには生活や物質を求めるのではなく、自分が思うロマンや夢を実現させるべく追い求めるようになります。

Maslowの欲求5段階説

アメリカの心理学者マズローは1964年に、人間の欲求には成長に合わせて5段階あり、最高の欲求は自己実現欲求(成長欲求)であると提唱しました。

これを図で表したものが次の図左側です。

現在の中国は、まさに欲求が混在しているのがよく分かると思います。第①段階から第⑤段階までの人が一つの都市で競争して生きています。

一つの会社で、新入社員と社長の給与差を考えて見ますと、日本の会社はせいぜい数十倍です。中国系中国企業の場合は、数百倍は当然で、極端な場合数万倍です。

これはある意味で危険です。何でも金銭に置き換えて欲求を満たす段階です。マズローの5段階説で言えば、未だ第2段階です。

これが、悪いほうに進むと、数十億円もの汚職で私利を肥やし、愛人を十数人も抱えるなどという政府高官を産んでいます。

仕事で自己実現を満たす

働く場面に置き換えた5段階が下図の右側です。


HRA|中国日系企業の疑問を専門家がアドバイス|Human Resource Association-向上意欲を活かす人事管理

働く場面での欲求は、会社の努力で5段階目まで到達可能だと思いませんか?逆に奏しなければ会社の活力は生まれません。

それに誘導し、仕向けるのが貴方方幹部の役割です。

部下の欲求を満たすのが幹部の役割

幹部は、部下の欲求が何処にあるのか探りそれを満たす手助けをします。欲求が無い部下には、話し合って、今どの段階か相互確認をする必要があります。欲求段階が分かれば、それを満たすための個人指導は容易ですね。


続きは次号でどうぞ。

佐藤 忠幸

佐藤中国経営研究所 代表 (上海在住)

専門分野
企業管理・人事労務・労使関係・品質管理・幹部・5S研修・社内規定

電子・機械・成型・縫製など異業種製造業数社で、日本および海外子会社で数多くの会社立ち上げと再建業務に携わる。現在は上海と横浜を基盤として、幅広く、経験に基づいた相談と指導を行っている。各社顧問と各種セミナー講師および雑誌や新聞への執筆多数。

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