2013年02月17日(日)

中国では学びながら働く

佐藤中国経営研究所 代表 佐藤 忠幸


 日本の経済情勢から、中国で働く日本人の若者が増えています。気になるのは、何の特技や特徴もなくて、その上、自分のセールスポイントも分からず、中国に仕事探しに来た人が多くなったことです。日本でよい仕事がないからと言っても、それでは実力主義の中国では到底通用しませんね。しかし、学ぶ姿勢があれば望みはあります。

中国沿岸部は発展途上国ではない

 この10年間で中国は急速に発展成長し、特に沿岸部の発展は目覚しく、もはや発展途上国ではありません。もちろん奥地に行けば発展途上国です。中国は、この二極分化の激しい国だということを日本人は理解する必要があります。

 沿岸部にある中国系企業の生産技術も管理技術も急速に進歩しています。例えば、製造設備は、日系企業の多くは中国製の機器を導入していますが、中国系は日本製の最先端の機器を輸入しています。もちろん、当初はその性能を使いこなすことはできませんでした。しかし、機械メーカーに学び、日本人を技術顧問に迎えて学んできたのです。その背景には豊富な資金力と直接オーナーが経営するということで、日系企業とは成長スピードが違います。

 この様にして、現在は数年前の中国とは全く違うことを日本人の多くは理解していません。

工業団地も労働集約型企業は歓迎されない

 10年前なら、輸出型企業であれば外貨を稼いでくれるということで、どこの工業団地でも歓迎され様々な優遇処置を受けられたものです。今ではハイテクだと認められなければ工業団地の入居すら認められません。もちろん、一部の奥地では相変わらず外資企業は歓迎され、現地労働者を多数雇ってくれるとなれば(内緒で)土地代すら免除してくれるほどです。

 しかし、そのような地方には日系企業はほとんど見かけません。それどころか、工業団地の多くは空き家だらけです。

 理由は、原材料や部品の調達が現地ではできないこと、管理者や技術者の採用が困難だということです。優秀な学卒者もいますが、その多くは都会に仕事を求めます。

 仮にそこに会社が出来たとしても、日本人赴任者の誰もが行きたがりません。会社運営はなかなか軌道に乗らず、しかも生活物資が乏しく日本料理など夢だからです。(ただし、そこが必要な原材料産地なら別です。)

 そういう地方なら、どんな日本人も歓迎して採用してくれるでしょう。でも行きますか?

沿岸部で欲しい日本人には限りがある

 数年前までは、どんなレベルの人でも、日本人から学ぶところが必ずあり歓迎されていました。しかし、現在は学ぶ範囲は限定されています。私のセールスポイントは何か、何が優れているということを明確にして就職探しをする必要があります。

 指導者として赴任していただくにはそれなりの水準の人、或いは中国に不足している技術を持った人で無ければ、高給を払う価値がありません。これが分からず、中国に行けば仕事があると思われると大きな誤算でしょうね。

中国で学ぶ積もりなら可能性は大

 中国および中国人を下に見て稼ごうとする人はいないでしょう。しかし、高給で働こうとしても、余程のハイテク技術を伝授できる人か、優秀な経営者で無ければ歓迎されないでしょう。

 まだ若くて特技も無い人の職場は中国には無いのか?それは日本と同じく難しいのは確かです。中国および中国人を下に見るような人の仕事は絶望ですが、それさえ改め、中国人を仲間あるいは友人と考えて接すれば、日本よりも働く機会が多いのも事実です。

 まず、中国および中国人を理解すべく学習姿勢を持つことが基本です。その上で、様々な仕事についてあらゆる機会を勉強の場と考えて貪欲に吸収していきます。その過程で自分の進路も見えるし、中国人から尊敬され、欲しいと思われる人材に成長するでしょう。

 日本人だから、よい仕事が与えられ高い報酬を得られるという時代は中国も終わりました。

佐藤 忠幸

佐藤中国経営研究所 代表 (上海在住)

専門分野
企業管理・人事労務・労使関係・品質管理・幹部・5S研修・社内規定

電子・機械・成型・縫製など異業種製造業数社で、日本および海外子会社で数多くの会社立ち上げと再建業務に携わる。現在は上海と横浜を基盤として、幅広く、経験に基づいた相談と指導を行っている。各社顧問と各種セミナー講師および雑誌や新聞への執筆多数。

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