2013年09月09日(月)

上海駐在員の健康事情①

上海春澤健康諮詢有限公司 主任医師 葉 紅


 今号よりコラムを書き始めました。しばらくお付き合いお願いいたします。
 仕事の関係で、日本人駐在員の方々の健診レポートを読むことが数多くあります。ある健診センターの日本人駐在員の健診結果の統計をみると、まったく病気のない方が僅かに2~3%しかないことが分ってびっくりしました。
発病率の順番は下記のようです。

  1. 高脂血症(発生率52%)
  2. 肥満(発生率37%)
  3. 脂肪肝(発生率26%)
  4. 肝機能障害(発生率23%)
  5. 高血圧(発生率23%)
  6. 慢性咽頭炎(発生率21%)
  7. 高尿酸血症(発生率19%)
  8. 痔(発生率18%)
  9. ピロリ菌感染(発生率16%)
  10. 糖尿病(発生率12%)

 日本人の忍耐力は有名です。ちょっとした調子悪さや痛さなどはあまり気にしないですが、只、病気も仕事と同じ普段の積み重ねです。駐在員はお付き合いなどの理由で外食が多い、また調子が良くなったら、元々すきなお酒はどうしてもたくさん飲んでしまいます。これら余分な栄養が消費されないまま、外へ出すこともできず、体の中に溜まりに溜まって、体重だけが増える、肥満、高脂血症(脂質異常症)、脂肪肝この三つの病気が階段のように知らずしらずのうちに上がってしまっています。
体重が増え始めると気になって、何とか元に戻そうと努力しますが、ついつい美味しいお酒や食べ物、上司の誘いなどに負けてしまい、そのうちに諦めてしまうのが殆どのパターンです。


 私の患者のS総経理はこの代表者と言えます。身長170cm足らずですが、体重が100kgを超えていました。高脂血症、高血圧、心臓病、と体はぼろぼろ、本当に制限をしなければいけないのに、お酒や食べ物は好き放題に飲んだり食べたりの毎日。こちらのアドバイスは全く聞く耳を持たず、どうしても疲れたら漢方で何とか元気にしてほしいと頼みに来る始末です。


 ある日突然肺炎にかかり入院することになりました。それが、呼び水となり心臓の血管に火が付いてしまいました。入院先の先生から心臓にベースメーカを入れろと命令され、その手術をしたくなければ退院しなさいといわれ、このままじゃ死にたくないと、飛行機をチャーターして、やっと日本に戻るというひどい経験をしました。
日本の病院でペースメーカをつけて、毎日1600カロリー、1日6gの減塩食を真面目に実行し、何と体重を100kgから85kgに落とし、血圧も正常に戻しました。
今になって、普段からきちんと自己管理をすれば、こんなひどい目に会わずに済んだのにとS総経理も反省しています。
これこそ日常の健康管理が大事だと言う症例で少しご参考になったでしょうか?
上海の総経理、駐在員の方々の健康事情はS総経理と似たり寄ったりであることが健診データで分ります。
これから、このシリーズで生活習慣病の予防&治療を順次ご紹介していきます。

葉 紅

上海春澤健康諮詢有限公司 主任医師 (上海在住)

専門分野
漢方クリニック診療(内科・婦人科・小児科・皮膚科)、健康管理コンサルティング

各種治療は、生活習慣病、メンタル問題、頚椎病・頭痛・頸痛・肩痛、背痛・腰痛、生理不順・生理痛、冷え症、夜尿症、円形脱毛症、湿疹、アレルギー・花粉症など幅広く行っている。この診療現場で鍛えられた高いコンサルティング能力により健診結果の分析及び予防治療指導、体質改善指導などには定評がある。セミナー講師及び新聞記事の執筆など多数。

この顧問・専門家のブログを見る

葉 紅
このHRAホームページの先頭へ