順利包装集団 福喜多俊夫
MBO実践センターの中嶋哲夫さんから、「予測可能性」という話を聞きました。
自分を取り巻く環境が曖昧であったり、不確実であったりした場合、一人ひとりはその場で自由に動くことが出来ません。 何が起きるかわからない環境では、防衛的に構えざるを得ません。 ここで大事なことは予測可能性です。 予測可能であることが安心感を作り出し、個人が自由に動くことを可能にします。
職場の予測可能性を高める
文化や習慣の異なる外国で働く場合、職場の予測可能性を高めることがとても大事です。
お互いの役割がはっきりしており、誰が、誰にどんなことを報告しないといけないのか、あるいは、どんなことを誰が決めるのか、それが予測可能であれば安心できます。 上司の行動が予測不能であれば、部下は防衛的になり、上司の行動が予測可能であれば部下は安心できます。
総経理の指示が予測の範囲か
会社トップはいつも自分の夢やそれに到達する道筋を唱え続けなければならないということは、皆さん理解され実行しています。そのため、理念や方針の共有化しベクトル合わせに努力されています。
しかし、中国子会社はしばしば日本親会社の意向にそって運営されます。 親会社の都合で突然、方針が変更されることが繰り返されると、現地社員は日本人総経理の言うことを信用せず、場当たり的に自分の動きをしがちです。 日本人総経理は親会社の意向を幅広く捉え先読みして、自分の行動や発想をオープンにし、総経理からの指示が部下にとって予測の範囲内だと思えるように努力する必要があります。
勿論、親会社のトップおよび子会社管理部門長も方針が、子会社にとって予測可能なように発信しつづけなくてはならないのは言うまでもありません。
職場の予測可能性を高めるための方策
中国人は一般的にチームで動くことが苦手で、指示されたことを自分なりに判断して突き進みがちです。 果たして目的に沿った動きをしているのか、結果が出るまで分からない、ということがしばしば起こります。 部下の行動が予測不能であることが日本人上司の悩みでもあります。
職場の一人ひとりの行動を「見える化」すること、役割をお互いが知り合うことがとても大事です。 予測可能性を高めるために、職場のメンバーの役割と目標をお互いが共有する「目標管理」を取り入れることも有用だと思います。
中嶋さんによれば、「予測可能性」という言葉は、アメリカの社会学者パーソンズの著書の中で「予測可能性を高めるために役割を構造化する」という文脈のなかで語られている言葉だそうです。
目標管理に興味がある方は、上海で開催される11月22日のセミナーにご参加くださるか、下記へご連絡ください。
その他のご意見およびご質問も是非お寄せください。
カネカ勤務中は米国、ベルギー、東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、香港)の子会社管理、工場指導を担当し、関連子会社に10年ほど出向していたこともあるので、中小企業、特に海外の中小工場経営が得意。
【資格】
◇技術士(経営工学部門)
◇APECエンジニア(工学部門)
【参加団体】
◇大阪能率協会
◇技術士包装物流会
◇(財)海外職業訓練協会(OVTA) 国際アドバイザー