2012年05月14日(月)

“中国で働く” ⑬ 独り相撲は避けよう

順利包装集団 福喜多俊夫

 スタッフの大半が日本語を理解出来る場合はあまり起こらないと思いますが、日本語を理解出来ないスタッフが多い場合、あなたは知らず知らずに「独り相撲」を取ってしまいます。

「独り相撲」はあなたが原因

 お客様が日本企業で、あなたとお客様が日本語で話を進めていく場合、他のスタッフは内容がよく理解出来ないので、これは○○さんの仕事だと割り切ってしまって、私は関係ないと無関心な態度をとりがちです。 スタッフが協力しないと現場の協力も得られません。 特に上位職のスタッフが動かないと他の誰も動きません。 お客さんからは「あなたが居るから信頼して仕事をお願いしているのです」と言われるのはうれしいことです。

 

 しかし、スタッフの協力が得られないとあなた1人で走り回らねばならなくなります。

担当スタッフの立場を尊重する

 打ち合わせの最初から担当スタッフの立場を尊重し、これは担当者の仕事であることを本人にもお客様にも明確にして進める必要があります。 日本語でやりとりした方が楽で早く済みますが、ここは中国です。 あとの効率を考えれば担当者を巻き込んで念を入れてやりましょう。 勿論、最後の責任はあなたがとるのは当然です。

 お客さんの日系企業は、あなたがいるから仕事をまかせてくれているのも事実です。

ひとり相撲の危険はいっぱい

 顧客との打ち合わせや営業の場だけでなく、あなたが「独り相撲」に陥る危険はいたるところにあります。 例えば社内の会議で何人のスタッフがメモをとっていますか? 多分殆どのスタッフがメモをとっていないと思います。 あなたは重要な指示を出したつもりでも、スタッフは「自分に関係ない」あるいは「やりたくない」と思えばメモを取らず、なかったことにします。 記録が残っていなければ、いくらあなたが指示したつもりでも水掛け論です。

 

 大事な指示や依頼は、必ず紙に書いて指示するようにしましょう。

2回目の指示で動くのは生活の知恵

 中国で長く仕事をしていると、「どうもうちのスタッフは2度言わないと動かない」と思うことがあります。 そうです、かなりの確率で「2度言わないと動かない」スタッフに出会います。 これは彼らの生活の知恵です。

 多分、これまでの上司が指示魔で、自分の指示をすぐ忘れるタイプだったのでしょう。 次々と指示を出していると、時々結果を聞くのを忘れることが起こります。 はじめは真面目に対応していたスタッフも、上司が忘れっぽいことに気がつくと、スタッフも賢くなって「本当にやって欲しいことは2度言うだろう」と生活の知恵が身につきます。

 「指示したこと、依頼したことは必ず結果をフォロー」することが、部下との信頼関係醸成に欠かせません。

福喜多 俊夫

福喜多 俊夫

順利包装集団(総公司:香港)総裁
(上海在住)

専門分野

海外子会社管理(経営管理・工場経営・品質保証)、目標管理、包装・物流情報

カネカ勤務中は米国、ベルギー、東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、香港)の子会社管理、工場指導を担当し、関連子会社に10年ほど出向していたこともあるので、中小企業、特に海外の中小工場経営が得意。

【資格】
◇技術士(経営工学部門)
◇APECエンジニア(工学部門)

【参加団体】
◇大阪能率協会
◇技術士包装物流会
◇(財)海外職業訓練協会(OVTA) 国際アドバイザー

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