順利包装集団 福喜多俊夫
最近、成長著しい中国で自分の可能性を試したい若者や、定年後の第二の職場を中国に求める方々が増えてきました。 しかし、同じ中国で働くにしても、日本企業の駐在員と中国企業の現地採用社員(日本企業の現地採用社員を含む)では職場環境や待遇がかなり違います。
中国系企業で働く
中国にあれば、日系だろうと欧米系であろうと、中国系であろうと全ての企業が中国企業です。
中国系企業を定義すれば、中国国営もしくは中国人が過半出資している会社ということになりますが、ここではあまり厳密に定義しても意味がありませんので、
①中国人が経営している会社
②台湾人が経営している会社
③香港人が経営している会社
④日本企業と中国企業の合弁会社であるが中国企業が経営権を持っている会社
これらをひっくるめて中国系企業ということにします。シンガポールやマレーシアの華僑が経営している会社も中国系と言えますが、ここでは上記①~④を念頭に話を進めます。
台湾系、香港系と中国大陸系では経営手法が違う
一般論でひとくくりにするのは危険ですが、私の見るところ台湾人や香港人が中国で経営する会社には経営手法の特徴があります。したがって、オーナーが台湾人や香港人の場合で、あなたが経営幹部として働く場合には、オーナーの経営姿勢を十分把握する必要があります。
一般に台湾人オーナーは中国人社員を信用していないので経営幹部の多くは台湾人が占めています。また、重要な顧客との会議、意思決定は台湾人のみで行う傾向があります。
香港人オーナーは経営を中国人に任せることが多いように見受けられます。但し、損益管理には非常に厳格です。
日本人のあなたが中国人総経理の下で働く場合にはオーナーの国籍をあまり気にする必要はありません。総経理は極めて中国式に経営すると思われます。
中国で働く日本人は目的意識を明確に
中国企業で働く日本人は、多くの職種についていますが、大きく分ければ次の5種類となるでしょう。
①総経理あるいは経営幹部職
②経験を生かした営業職あるいは営業幹部
③身につけた技術を生かした技術職あるいは工場管理者
④管理経験を生かした総務スタッフあるいは企画管理職
⑤中国でのキャリア開発を目的とした新卒・留学生の求職者
キャリア開発を目的とした新卒者を別にすれば、①~④いずれの場合も一般の中国人が持たない技量、センス、それぞれの分野における職業意識が中国での仕事を成功させるポイントとなります。中国人経営者は、それを求めているからです。
新卒者の場合も中国でどのようなキャリアを開発したいのか、はっきりした目的意識が必要です。
中国での経済・労働・社会環境の変化に敏感になろう
中国で仕事をしようと考える人は中国の経済環境の変化とともに、社会・労働環境の変化にも関心を持たねばなりません。経済成長の著しい中国では仕事環境も時々刻々変化しています。中国での成功は環境変化にいかに対応するかといっても言いすぎではありません。
中国人の中で働く心得
中国の会社で働く場合、まず就職条件の確認が大切です。 日本の親会社からの出向の場合は手厚い保護の手が差し伸べられますが、中国で現地企業に就職する場合はすべて交渉です。交渉上手な中国人とのお付き合いの第一歩です。 中国人の中で働く心得を列挙すると下記のような項目が挙げられます。
- 就職条件の確認(労働契約書の厳重チェック・・・・中国は契約社会です)
- 中国人総経理との付き合い方
- 同僚としての中国人
日系企業に現地採用で入社した場合は、中国系企業に勤めた場合以上に中国人社員との厳しい戦いに遭遇することは必至。 かなりの覚悟が必要です。 - 顧客としての中国人
- 仕入先としての中国人
これらについて、ひとつずつ細かく説明すると長くなりますので、興味のある方は下記に連絡ください。
「中国系企業で働く日本人のためのガイドブック」を差し上げます。
カネカ勤務中は米国、ベルギー、東南アジア(シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、フィリピン、中国、香港)の子会社管理、工場指導を担当し、関連子会社に10年ほど出向していたこともあるので、中小企業、特に海外の中小工場経営が得意。
【資格】
◇技術士(経営工学部門)
◇APECエンジニア(工学部門)
【参加団体】
◇大阪能率協会
◇技術士包装物流会
◇(財)海外職業訓練協会(OVTA) 国際アドバイザー